後ろの迫田くん


「迫田くんってめがねのイメージないもんね。」



さこたくん?



「・・・誰が?」

「だから迫田くんがだよ。」



さこたくんって、



「誰?」

「チッ。」


めがね男子が、あたし達の会話を聞いていたのか、舌打ちをかました。



山口は呆れたように教えてくれた。


「彼が迫田次郎くん。」



彼って、めがね男子が?

さこたじろう、さこたじろー、さこ


「たじろー」

「プッ。」


山口が吹き出すと、めがね男子は睨みをきかせてきた。


「いやいやいやいや、迫田くん!だから。区切るとこ違うから。」



ふーん、たじろーって言うんだ。



「ふーん。」



山口はあたしが理解してないと悟ったのか、「迫田くんだよ。」と念をおすと、


「そうそう。」


思い出したかのように、あたしを教室に呼び出した理由を話し出した。


「学校来てるんなら、ちゃんと授業出なよ。」



な、なんと!サボりを怒られた。



「違うか、ちゃんと学校に来なよ。去年はギリギリ進級出来たけと、出席日数足りなくなるよ。」



な、なんと!あたしの出席日数まで把握してるのか山口は。


「牛田が言ってたよ。」



ぬぬ、ヌーちゃん?

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