後ろの迫田くん
ヌーちゃんめ、山口に頼むとは卑怯な。あたしは良い子なのに。

それに躾だと。あたし常識人だよ。


「ねー?たじろー。」


あたしはまだ後ろ向きに座ったままだった。

山口が居なくなった今、語りかけるのは目の前のたじろーしか居ないのに、


「・・・。」


無視された。



いつの間にか授業が始まってたようで、噂のヌーちゃんが教壇に立っていた。


「たじろーや。」

「・・・。」

「たじろー殿。」

「・・・。」

「やい、たじろー。」

「・・・。」

「・・・。」

「はぁー。」


うをっ!溜め息付いた?

ことごとく無視されてるのはあたしなのに。


「はぁ~あ・・・。」

「チッ。」


真似して溜め息を付くと舌打ちされた。

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