後ろの迫田くん
障害物借り物競走に立候補した覚えもなければ、出場種目を決めるLHRの時間の記憶もない。

ヌーちゃんが勝手に決めたのか、クラスメイトの誰かが推薦したのか。


「ちゃんと牛田に言っておいたからね。障害物借り物競走に出られるように。」



な、な、な、なんと!!



「良かったね。障害物借り物競走に出られて。」


犯人は山口だった。





定められてたんだと思う。

山口が障害物借り物競走に推薦した事も、モーニングコールした事も、屋上に迎えに来た事も。


全ては、山口があたしの出場種目を決めた時点で。



あたしは抵抗する力もなく、白目剥きながら入場門まで引きずられて行った。






だいたい、誰が作ったんだ?

障害物競走だけでもなく、借り物競走だけでもなく、ミックスさせたのは。

平均台やら網潜りやら。単純な障害物なんだけど面倒。

どうせなら直ぐに終わる短距離走が良かった。今更文句を言っても遅いけど。

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