後ろの迫田くん
もし『クリームパン』と書いてあれば、そのままゴールに向かうし、

『メロンパン』と書いてあれば、迷わず山口の元へ向かう。




1番後ろの列の席に座ってる彼、


「たじろー。」


クラスメイトは借り物が何なのか気になってる様だけど、気にせずたじろーの腕を掴みゴールに急いだ。

・・・たじろーと並び、ゴールまで歩いた。



何処かで「目が青くて金髪の人ー!」なんて叫んでる。

外人さん!?可哀想にと思った。



余裕でゴールしたあたしは、係りの人に紙とたじろーを渡した。

けどチェックする人からは、「失格です。」と言われた。



なぬっ!?



平均台だって渡ったし、クリームパンは一発で仕留めた。


「迫田くんはかけてないです。」


何をおっしゃる。

めがね男子のたじろーだよ。



同意を求めるべくたじろーを見ると、

っ!!失態だ。キラキラがない!



たじろーは係りの人が持っていた紙を奪い取ると、


「チッ。」


書いてあるものを見て、あたしを睨み付けた。




借り物は『めがね』。

今日のたじろーは、めがね男子ちゃんじゃなかった。


「・・・。」

「・・・。」

「・・・。」


係りの人はあたしを失格にすると、2番目にゴールした人のチェックをしに行った。

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