後ろの迫田くん
1歩目を踏み出した時、先頭の金髪に呼び止められた。


「ちょっと!」


もしかしなくても、あたしにだと思う。近くに他には誰もいないから。


「ちょっと来てよ。」


主語がないので分からない。何処に?



金髪の女子生徒は知ってるのかもしれない。山口の居場所を。

親切じゃないか。残りのクラスを見て回るのは面倒だ。


あたしは彼女達の親切心に乗っかる事にした。





先頭に居た金髪。あたし。金髪の後ろに居た5人の女子生徒。

その順番で移動する。端から見たら何の行進?午後の部、始まってないのに。

そして何処まで行くんだろ。校舎裏に回り、人気が少なくなる。

こんな所に山口が居るのか?

嘘つかれたか。




金髪達に付いて行くのは間違いないだと思い始めた頃、人気がない体育館横に生徒の姿があった。

男子生徒と女子生徒。

男子生徒は背をを向けてるから顔は分からないけど、なんとにく見覚えがある。


あたしが立ち止まると、後ろの5人も止まる。

金髪だけが、先へと進む。
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