後ろの迫田くん
「さ、佐伯くん!?」
一旦会話が一区切りついた所で、金髪が透かさず入ってきた。
呼ばれたみっちゃんは返事せずに金髪を睨んでるだけ。
睨まれた金髪は言葉を発するのを躊躇ってるようだ。
「パンダはみっちゃんの友達?」
「まさか、知らない人。」
そっか、みっちゃんの友達じゃないんだ。金髪がみっちゃんの名前を呼んだから友達かと思った。
「それより知らない人に付いて行っちゃ駄目だよ。」
顔は笑ってるけど、ちょっぴり怒り気味だ。
「だって、」
「だって、じゃない。」
言い訳もさせてもらえないのか。
あたしが悪いのか、付いていった。
あの時は、てっきり山口の所に連れて行ってくれると思ったんだもん。
あたしが膨れていると、「はぁー。」溜め息を付かれた。
「もう、知らない人に声かけられても付いて行ったら駄目だからね。」
「はーい。」
優しいみっちゃんは怒鳴らない。
昔からみっちゃんは優しい。あたしがバカな事しても、決して厳しく怒らない。