後ろの迫田くん
みっちゃんの手を取ると、

「居たーーー!!」

山口の声が聞こえた。


「良かった。見付かって。」


山口は安心したように息を切らしながら駆け寄ってきた。

あたしもだよ山口。だけど、何でたじろーも?

ぜぇぜぇ言ってる山口の隣に、息を乱さず平然な顔をしてるたじろーが居た。



たじろーはジッとあたしを見て、


「教室で待ってたら校舎裏通って行くの見えてさ、慌てて迫田くん探して!」


早口で捲し立てたのは山口だった。


何でたじろーを呼びに行ったのか分からない。



あたしは山口に近付き、山口のジャージのポケットを漁った。


「な、なに?」

「メロンパン。」


山口が持っているはずのメロンパンの在りかを探した。


「ちょっちょっと!」


身を捩りながら、あたしから距離を取った。


「迫田くん?」


メロンパンに気を取られすぎてたけど、まだ居たんだった。パンダ達。


金髪は青ざめた顔で、

「何にもないのよ。」

何かを否定した。


「わたし達は仲良くなろうとして、ね?」


金髪パンダはあたしに同意を求めてきた。
< 42 / 62 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop