後ろの迫田くん
5人のパンダ達はオロオロしてるし、


「なんか疲れた。」


呟くと、「帰ろっか。」みっちゃんが歩き出した。

手をみっちゃんに繋がれ引っ張られるように、あたしも歩き出した。


「あたしもかーえろ。」

そして山口も。




「佐伯くん・・・。」


パンダ達とは違う声が聞こえた。

体育館横でみっちゃんと一緒に居た女子生徒。

みっちゃんは一瞬だけ女子生徒を視界に入れると、答えもせず歩みも緩めない。


「みっちゃん。」


あたしが呼び掛けると「ん?」って答えてくれる。

聞こえてない訳じゃない。


「呼んでるよ。」


引っ張られながら、振り返り女子生徒を見た。

残念そうに、寂しそうにしてる。


「僕には関係ないから。」


更に彼女の表情は曇った。


「あー、ご飯食べそびれたね。」


山口は暢気にお腹の心配してる。あたしも山口に賛同。

食いっぱぐれた。


「チッ。」


必死なパンダの声はたじろーに届いてないみたい。

動かずに、未だに睨み続けていたが動き出した。


「あっ!迫田くん。」


たじろーは聞こえてないんじゃくて、パンダを無視してたんだ。

そりゃ、あんな至近距離で聞こえないはずがない。

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