後ろの迫田くん

次の日の朝もメロンパンを買っちゃ駄目って言われ、お弁当を食べた。

放課後になると、やっぱりみっちゃんは下駄箱で待ってた。

その次の日も、またまたその次の日も。



みっちゃんが作るお弁当は美味しい。

小学生の頃までみっちゃんと手を繋いで一緒に帰っていたし、中学生になってもたまに一緒に帰る事はあった。

だから、みっちゃんと一緒に帰りたくない訳じゃない。


ただ、たじろーにチョコバーは買って貰えない。






テスト最終日。


テスト勉強に疲れたのか、目の下に隈を作ってグッタリしている者や、解放感にテンション高めな奴とか。

SHRが終わると、それぞれ思い思いに帰って行った。



たじろーが席を立ったので、あたしも立ち上がると「来るな。」と言われたので従った。


「ふむ。」


たぶんおトイレだから。





5分経っても15分経っても、たじろーはまだ戻って来ない。

おトイレで頑張っているのかもしれない。


教室には誰も居なくなり、あたし1人。

先に帰ったのかもしれない。

そう思ったがチラリと隣の席を見ると、たじろーの鞄は置いてままだ。

もしかして、あたしの事が嫌になったのかもしれない。

隣に居ろと言われながら、最近はみっちゃんと一緒に帰ってるから。

でもでも、それ以外はちゃーんと隣に居るのに。

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