ヒストリーラブ


「あぁ、この体が忌々しい…」

机にへばりつくようにして顔を伏せる。

ついでに前の席の背中を思い切り叩いた。

「まだ言ってんのか、悠李」
そしたら、すごくかわいそうな人を見る目でそう言われた。


「うるへぇよ。」


お前にこの苦しみがわかってたまるか。


天川悠李

高校2年生

性別は女


実は前世の記憶があったりします。


「あぁぁ…シリクス助けて…」


絶え間なく襲いかかってくる腹痛に暴れたい衝動を堪えつつ目の前の男に言えば、


「保健室、行くか?デュランなら運んでやるぜ?」


そう言って爽やかに笑った。


実はコイツも前世の記憶があったりする。


前世での親友シリクスは昔から爽やか青年だった。
剣術にも芸術にも才があった。


今もその知識を活かしてか剣道に励んでいる。

もちろん主将だ。

シリクスの説明はここまでにして、

「いや、まだだ…まだ行くには早すぎる…」

女とは面倒な生き物だ。

「いや、諦めろよ。顔、真っ青だぜ?」


今、いわゆる生理中なんだよ。


これがまた酷い腹痛と腰痛を伴う最悪なパターン。


さっき薬飲んだけど、これが飲みすぎて効かなくなってきてたから、なぁ…。


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