ヒストリーラブ


薬の事を考えながら襲いかかる腹痛を何とかして抑えようと体を九の字に折り曲げれば、シリクスが心配そうに名前を呼んだ。


「…背中、擦ろうか…?」


「っ、たのむ…」



シリクスの提案に机にへばりついたまま頭だけを動かす。


ん、と返事をしたシリクスが立ち上がって後ろから背中を擦ってくれる。


持つべきは親友だな…


そう思いながら痛みに耐えていれば、


「悠李ちゃん、大丈夫?」


「アリアぁぁぁあ…」


最愛の妹が出てきた。


「はよ、絹川。」


背中を擦ってくれていたシリクスが軽く挨拶をするのに、アリアは私の頭を撫でながら挨拶を返した。


「はいはい、悠李ちゃんは本当にアリアが好きだねー。」


でも、アリアには記憶がない。

だから、一応アリアって呼んでるだけで実際関係は天川悠李と絹川彩香。


幼なじみでずっと一緒だったから、別にいいんだけど。


彩香は秘密を知っている人の1人。


だから、こっちも3人の時はアリアって呼ぶことを許してもらってる。


ごめんね彩香。
でもアリアに似すぎてるんだよ…!


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