ヒストリーラブ
「デュラン、大丈夫か?」
背中を擦ってくれていたシリクスのおかげで大分良くなった腹痛にホッと息を吐いた。
「ん…」
コクンと頷けばシリクスが後ろから前に移動した。
「はい、失礼」
そう言って目の下を引っ張られた。
端から見たら私がシリクスにべーってしてるみたいに見えるだろうなぁ…。
そんな事をぼーっと考えていれば、シリクスがふぅ、と息を吐いた。
「ん、貧血気味だけど大丈夫だね。今日の体育は見学するように。」
「はーい」
シリクスの言葉に頷けばシリクスが満足したように頷いた。
「相澤ー。」
私とシリクスの話が一段落したら、扉の外からシリクスのお呼びだし。
「悪い、デュラン。」
はぁ、とため息をついたシリクスに笑った。
「いいよ。アリアもいるし。」
そう言えばシリクスがポンポンと頭を撫でた。
「絹川、悪いけど見てて。」
「りょーかい。慧大も大変だねぇ。」
そう言って扉に目を向けたアリアに抱きついた。
「シリクスは、昔からモテたから」
本当に、羨ましい程に。