好き、と言えば、


 な、何がどうなってんの?

 うちも両親がいなくて、光輝の家もいない。
 ってことは、どっちみち二人っきりってこと・・・じゃん。


 「ちょ、光輝!奈央ちゃんは!?」

 そう光輝には3つ上の姉がいる。おそらく家にいるんじゃ・・・


 「あー姉ちゃんは彼氏んとこ」

 「ま、まじか・・・」


 当たり前のようにリビングのソファーに腰掛け、テレビを見ている光輝。

 なんなの、この状況は!



 「ねえ、」

 「んー?」



 「本気で二人っきり?」

 分かりきった事実を問いただすのは、焦っているから。


 「まあ、そうなるな」



 放心状態のあたし。
 学校で会うだけで意識しまくりのあたしが、光輝と一晩過ごせるわけがない。


 嬉しいって気持ちもある。
 だけど、どうしよう・・・


 気持ちがバレちゃいそう。

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