好き、と言えば、


 「ほんと、うち来るのも久々だよね」

 「だな」


 あれ・・・なんか沈黙になっちゃった。

 どうしよ、なんか喋らなきゃ・・・



 「なあ、みく」

 「え?」

 いつになく真っ直ぐ向けられた視線。
 なんだか光輝らしくなくて戸惑う。



 「お前の好きなやつ、誰?」

 「・・・」


 そういやこないだこんな話になったっけ。
 でもあたし、「いない」って答えたよね。


 「お前、悩んでんだろ。見てたらわかる」


 見てるって、あたしの何を見てるの?



 「そんなじゃないよ」

 「嘘つくなよ」

 

 すると、光輝はいきなり立ち上がってあたしの腕を掴んだ。

 「な、なに!?」


 そして、無理やりリビングから連れ出して階段を上る。



 着いた先は、あたしの部屋。

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