好き、と言えば、
「え なんで知ってるの?」
あたしは熱くなる胸を抑えて平静を装った。
「電話。今野桜からだったー」
「ええええ!桜!?」
なんと、さっきの電話は桜からだったらしい。
しかも、桜普通に光輝に話しちゃったの?
「全く俺に内緒で、そんなことしてたんだ。受験生だってのに」
「う・・・光輝には関係ない!」
痛いとこ突かれたなあ。
あたしは光輝から目をそらす。
もうヤダ。今日の光輝は意地悪で意味がわからない。
「関係ない、か。そんな寂しいこと言うなよ」
え?
なんなの。急に優しくしないでよ。
光輝の力強い腕があたしを包む。
だけど、結局あなたは残酷でした。
「俺たち、幼なじみ、だろ?」
なんとなく「幼なじみ」が強調されている気がした。