好き、と言えば、


 「きゃあ!」

 え?

 両手で耳を塞いだ。その瞬間、ふわっと温かさに包まれた。


 「やっぱ、怖いんじゃん」

 
 腕をぎゅっと強める光輝。
 心臓が跳ね上がって、涙も引っ込んじゃった。

 ドキドキが止まらなくて、切ないけど嬉しくて、どうにかなっちゃいそう。




 「もう、大丈夫だからっ」

 「はいはい」


 呆れたように、あたしの強がりを受け流す。
 あたしが意地っ張りだって一番知ってるのは、光輝なんだ。




 しばらくして、光輝はあたしを立ち上がらせた。
 そして、優しく手を引く。

 「光輝?」



 何も言わない光輝に不安が募る。
 さっきみたいなのは嫌だよ・・・

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