好き、と言えば、


 なわけないか。
 光輝は友達と笑い合ってる。
 その中には、女の子もいる。


 幼なじみなのに、あたしはその輪に入れない。
 別に入りたいわけじゃないけど。

 すごくすごく遠く感じる。



 「ねえ、みく諦めないで頑張ってみようよ」

 「いいよ、あたしは。大学行って、次の恋探す」


 自分で言ってて悲しくなった。
 思えば、6年も光輝が好き。
 その間、誰のことも好きになれなかったし誰とも付き合ったことがない。

 そろそろ潮時。あたしも彼氏がいないことに焦っていないわけじゃない。



 「じゃあさ、合コンいってみる?」

 「え?」


 「聡(さとし)がね、あたしの友達誘ってセッティングしてくれってうるさいんだあ」

 聡ってのは確か桜の幼なじみで、近くの男子校に通っている。


 「桜、彼氏は!?怒るんじゃない!?」

 「櫂(かい)も来るから平気だよ~」

 「ま、まじ!?」

 「うん!だって櫂と聡、先輩後輩だもん」


 なるほどね。ってあたしに合コンは無理だよ・・・


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