好き、と言えば、

 「やだよ、合コン。今出会いたいわけじゃないし」

 「一種の社会経験だよ!みく可愛いのに、彼氏つくんないのもったいない!」


 無茶苦茶でしょ・・・。桜はいつもこうなだけどね。


 「とにかく日にちと場所決まったら連絡するね!翠ちゃんとかも誘おうっ」

 なんでかとっても楽しそうな桜。
 こうなると、もう誰にも止められない・・・

 困ったなあ・・・





 お昼を食べ終えたくらいにちょうど予鈴が鳴り響いた。


 あ、光輝が来る。


 「みく、数Ⅰ貸して」

 「また忘れたの?」

 「どうせまともな授業しないし、いっかな~って」

 
 全く呆れるよ。進路が決まった光輝にとって授業は邪魔なもの。

 
 「だったら教科書いらないでしょ」


 ちょっとイラっとして素直じゃない言い方しちゃった。

 
 「数学当たってたの忘れてたんだって」

 「もう、ばか。落書きしないでね」


 結局、渡しちゃうあたし。
 だって、仲の良いあの子たちからだって借りれるのにわざわざあたしのとこに来るってちょっとだけ優越感感じちゃう。

 光輝にとっては大したことじゃなくてもね。

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