好き、と言えば、
ふたりきり



 from:桜
 
 みくー!
 例の合コン、
 今週の土曜に決まったよ(^^)
 空けといてね!
 場所はカラオケでいいかなあ?



 そんなメールが届いたのは、火曜日の夜のこと。
 あたしの知らないところで、合コンの段取りは着々と進んでいたらしい。

 こんな受験期に合コンて何考えてんのよ。
 だけど、桜も櫂くんもノリノリで断れなくなっちゃった。
 もちろん光輝には言ってない。


 「みくー!」

 下の階からお母さんの声がした。

 「何ー?」

 階段を下りると、ちょっと深刻そうな顔をしたお母さんがいた。

 「あのね、急遽、病院に行くことになったの」

 「え?どうしたの?」

 「親戚のおじいさんが倒れたらしくてね、危ないかもしれないの」



 まさかの事態。あたしが不謹慎に合コンのことを考えてる間に大変なことが起きていた。

 「とにかくちょっと隣町の病院まで行ってくるから。お父さんも今日は出張だから、まりちゃんちにみくのことお願いしといたわ」

 「え、えー!?」


 まりちゃんというのは3軒向こうのご近所さん。

 つまりは・・・光輝の家。



 


 
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