キミを唄う...



もうすぐ 彼女の家の前だ…

今まで歩いてきた道が なんだか いつもと違う感じがしたような気がした

すると彼女は 目の前の十字路に駆け出した

そして――

「今日は、ありがとね!」

溢れ出す笑みとつられ 晴輝も笑顔になった

『俺も楽しかった』

晴輝と彼女の間に 風が吹き抜けると…――

「…また、会えるかなー?」

『どうだろうねー』

「――あのさ…」

彼女の表情は 急に真剣さが混じりこんで来た

『?』

だが その顔もすぐに消え 少し寂しそうな笑みをこぼしながら 首を左右に振ったんだ

「――…今度会えたら言うよ」

『そっかぁ…じゃあ、絶対会おうなっ』

「うんっ…!」

そして 彼女は歩き出した…――

晴輝に背を向けて ゆっくりと前進し始めた…

しばらく見つめた後 彼も反対の方向に進み始めた…





――また会おうな…


















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