キミを唄う...

゚+ 春の唄 +゚

ピンクに染まった花びらが 空に舞う

鳥の歌が 辺りに広がる

はしゃぐ小学生の声が 耳に入る



真新しいの学ランが ずいぶん体に馴染んできた

晴輝はこの春 中学生になった

その後 癖毛の子とは一度も会わなくなって…

名前も知らないけど 1枚だけ 2人で採った写真だけが手元にある…

結局あえないまま 中学になり

そして――

中学校生活の1ヶ月が過ぎようとしていた…



彼は この数ヶ月で 180度変わったんだ

身長は異常に伸びて 170センチにもなった

クラスで1番後ろだ

可愛かった顔も キリっとして むしろ目付きがきつい…

けど 女子には影で大人気だ

お菓子を貰ったり 告白されたり この1ヶ月で数え切れないくらい…

しかし――晴輝はどの告白も『ごめん』で通した

第一 話したことのない女子と 付き合うなんてまっぴらごめんだった

そして今日も――



「松本君…好きです!」

髪を巻いている 隣のクラスの美女らしい…

けど晴輝は――

『…ごめん無理』

あっさりと振ったんだ

「どうして?なんでみんなのこと振るの!?」

彼女は 晴輝の服の裾を固く握った

しかし晴輝は 彼女を睨み付けて

『女子なんて、立場が悪くなったらすぐ泣くし…そうゆうのめんどいからに決まってんだろ?』

彼女の手は 晴輝の服の裾から 離れた…

「そ…そんなこと…」

『とにかく、俺のことは諦めろ。俺は女に興味がないんだ――』

上から目線で――

それに とっても目付きが酷い…

その姿に脅え 彼女は屋上を後にした…

――ほらな

――結局女なんて、みんな同じなんだ…

晴輝は地べたに座り また ギターを弾き始めた…


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