キミを唄う...

゚+ 屋上の唄 +゚

千沙と出会ったあの日から 俺の人生は変わったんだ…


「あんたは?」

長くて 信じられないほどのストレートの髪の毛が 風になびく

『ぇ?俺は…3組の松本晴輝…』

「俺は、晴と同じクラスの岡田雄一★よろしくー」

寝起きの雄一が 千沙に手を振っていた

「ぁ、よろしくー。ってか、松本って“晴”って呼ばれてるんだ!」

いたずらっぽそうに 晴輝のことをまじまじと見る 千沙

『なんだよ…』

「はーるーちゃんっ★」

『は!?』

晴輝は つい怒鳴ってしまった

頭に血が上ったって言うか 恥ずかしくてだろう…

「うわー、超焦ってるしー」

千沙は 雄一と2人で晴輝をいじってくる

「あそこまで赤くなると、晴でも幼く見えちゃうね!」

――はぁ…調子狂うなぁ…

晴輝は 深い溜息をついた

――女って、疲れる

そんな目で 千沙の姿を見つめていた

『――…変な女』

晴輝は 空に小さく呟いた――



「晴―っ!雄ちゃーんっ!」

「おー千沙!おせーぞっ」

休み時間 晴輝は雄一に腕を引かれ 屋上に連れて行かされた

別に嫌だったわけじゃないけど――

だけど 雄一は千沙に会いたかったと言っている
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