そして約束のコトバをかわしましょう
猛は10年前、私を守ってくれると言った。
実際に、猛に守られたことは何度かあった。
中学1年の時、3年生の男子の先輩にからまれているのを助けてくれたり、親がいない時の夜など一緒にいてくれたり。
些細なことだけど、その【守り】が私だけだと思うと、すごく優越感に浸れたんだ。
猛は中学から、いや小学生のころから人気があったから。
昔は私しか女子では猛と親しくなかったし、猛も私以外の子には冷たくしていた。
でも高校に入ると、形勢逆転。
幼なじみという余裕をかましていた私は負け、ずっと粘り強く猛のファンだった子は、いまや猛のとりまきとなっていた。
私はもう猛に近づくことは許されない存在なのだ。
「でも・・・由比くんはもてるから、仕方ないんじゃない?」
薄い頬笑みを浮かべながら、沙里にこう返すと、
「や、そーだけどさぁ・・・あたしは由比も嫌いなんだよね。というか、あーゆー人間があんまり好きじゃない。」
「あーゆーにんげん・・・」
「そう。なんかすかしてるって言うか、あたしらを子馬鹿にしてるって言うか・・・ まあ、全体的に好かないやつなの!だからそれをとりまいてる奴らも好きじゃない。」
沙里はすごい。でも猛のことを悪く言われると、少し心が痛む。
私はもうすでに、猛とは何の関わりもないというのに・・・
実際に、猛に守られたことは何度かあった。
中学1年の時、3年生の男子の先輩にからまれているのを助けてくれたり、親がいない時の夜など一緒にいてくれたり。
些細なことだけど、その【守り】が私だけだと思うと、すごく優越感に浸れたんだ。
猛は中学から、いや小学生のころから人気があったから。
昔は私しか女子では猛と親しくなかったし、猛も私以外の子には冷たくしていた。
でも高校に入ると、形勢逆転。
幼なじみという余裕をかましていた私は負け、ずっと粘り強く猛のファンだった子は、いまや猛のとりまきとなっていた。
私はもう猛に近づくことは許されない存在なのだ。
「でも・・・由比くんはもてるから、仕方ないんじゃない?」
薄い頬笑みを浮かべながら、沙里にこう返すと、
「や、そーだけどさぁ・・・あたしは由比も嫌いなんだよね。というか、あーゆー人間があんまり好きじゃない。」
「あーゆーにんげん・・・」
「そう。なんかすかしてるって言うか、あたしらを子馬鹿にしてるって言うか・・・ まあ、全体的に好かないやつなの!だからそれをとりまいてる奴らも好きじゃない。」
沙里はすごい。でも猛のことを悪く言われると、少し心が痛む。
私はもうすでに、猛とは何の関わりもないというのに・・・