愛を知った実験体(ラット)
研究所
「このラットは
素晴らしいですよ。
致死遺伝子であるにもかかわらず
この年齢まで生存している」
「ということは・・・
優性遺伝子のみで
構成されているということですね?」
「はい。
死ぬ前に
致死に関係する遺伝子の切除に成功・・・
今のところは成功ということであり
また、
完璧な人間が製造されたということです」
「しかし、
完璧ならば
脱走することもできるのに
なぜ
しない?」
「おそらく
脱走したところで
無駄だと知っているからでしょう」
白衣の男たちは
No.5070のプレートのかかった
1人の少女が眠る部屋を
マジックミラー越しに見ると
研究室に戻っていった