Voice
「ねぇ、何で私達付き合ってるんだろ…」

傷口をこれ以上広げない為。

恵美が望むなら何時、別れを告げたって俺は構わない。


…だって恵美と付き合う前までは深亜がずっと好きだったから。

でも、優斗の彼女だから。壊しちゃいけないと思った。思い続けちゃいけないと思った。

きっと深亜の事、一生好きだと思ってた。


だけど恵美と居る内になんとなく思いは閉じ込められて行って。

「蓮、私達―…





別れよっか……?」



君の呟いた何気ない一言が胸に刺さったのは、何故?

「うん」

引き止めたりなんかしない。…苦しみも痛みも、涙も、無いね。


だけど…もう俺は誰の為に歌えば良い?


< 11 / 30 >

この作品をシェア

pagetop