Voice
届くかどうかは分からないけど。どうか届いて欲しい。ごめん。きっとこれが俺から恵美にしてあげられること。

「新曲が出来たんで…一番に待ってくれていたファンの方に捧げます。聞いて下さい……"SORA"」


切ないメロディーが印象的な、優斗と俺が作った曲。ずっと伝えられなかった思いだけを……



その曲を聞いて皆涙を浮かべてるのに、優斗の彼女と恵美だけが不思議そうにしていた。


…知らない?分からない?

それならそれでも良いよ。苦しかった訳でも無いし愛してた訳でも…無かったから、ね。


「ありがとう」

その曲が終わると皆で頭を下げてライブは終わった。楽屋に入っても鳴り止まない拍手。

「――…っ」

ふと急に頭を抱えんこんでしゃがみこむ優斗。

…泣いて、る?

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