Voice
「どうした?大丈夫か?」
心配になって、優斗に触れようとしたらその手を払いのけられた。…親友の俺の手も要らないくらい苦しんでるんだ。
何も出来ずに立ち尽くしていたら優斗が言った。
「深亜にさ、振られたんだ」
まるで今まで堪えてた言葉を吐き出すかの様に。綺麗な目は真っ赤になって充血していた。
ライブ中、ずっと深亜の姿を見て泣きそうなのを堪えてたんだろうか…
一言すら、俺に言ってくれなかったのはどうして?
「そっか。でも、今日…来てたよな」
振った相手のライブを見に来るとか神経どうかしてる。しかも恵美には何もかも知ってるかの様に笑ってたし。