それは、ある晴れた日のこと。
13年前、
俺は幼稚園の友達の輪に入ることができなかった。
というか、入れて貰えなかった。
と言ったほうが正しいかもしれない。
小さな子供ってさ、
自分と違うやつとは
仲良くしたがらないんだよ。
その時の俺は、
皆とは大きく違うところがあったんだ。
俺の祖父は、
そこそこ名の知れた病院の院長をしてる。
当然のように親父も
そこの副院長をしてる。
そのおかげで
俺は金に苦労したことは無かったし、
むしろ裕福なほうだった。
周りの子供たちは、
皆なんらかの理由で
それを知ったんだろうな。
いつしか俺には
“金持ち”って言う肩書きがついてて、
そのせいで仲間に入れて貰えなかった。
それが、子供ながらにすっげえ傷ついて。
ひどく心を閉ざすようになっちまった。