それは、ある晴れた日のこと。




13年前、
俺は幼稚園の友達の輪に入ることができなかった。

というか、入れて貰えなかった。
と言ったほうが正しいかもしれない。



小さな子供ってさ、
自分と違うやつとは
仲良くしたがらないんだよ。


その時の俺は、
皆とは大きく違うところがあったんだ。






俺の祖父は、
そこそこ名の知れた病院の院長をしてる。

当然のように親父も
そこの副院長をしてる。



そのおかげで
俺は金に苦労したことは無かったし、

むしろ裕福なほうだった。





周りの子供たちは、
皆なんらかの理由で
それを知ったんだろうな。

いつしか俺には
“金持ち”って言う肩書きがついてて、
そのせいで仲間に入れて貰えなかった。



それが、子供ながらにすっげえ傷ついて。









ひどく心を閉ざすようになっちまった。











< 32 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop