赤ずきん〜もう一つのおとぎ話〜
……夢をみた。
いつもの花畑。
小鳥のさえずり。
うっすらと目を開ければ
隣には君。
優しく君が笑うから
俺は安心して
そっと君に手を伸ばす。
もう少し…あと少し。
やっと…君へ届くと
思った瞬間。
ふっと強めの風が吹いて
俺の手もふっと消える。
手から体へ
砂のように
サラサラと流れて
ついには君の目線が
ゆっくりゆっくり
俺から離れた…
パッとさえる目。
……………悪夢だ…。