赤ずきん〜もう一つのおとぎ話〜
そうわかると俺は
自分の手にある
ネリネを少し強く握って
君がいつも俺を
待っててくれた場所に
重なるように…。
ゴロン…とそのまま
仰向けに寝た。
花畑に囲まれて
…聞こえてくるのは
小鳥のさえずり。
夢と同じで
陽気な天気だった。
本当は君を一目見たいと思ったけれど
……よそう。
かえってよかったのかもしれない。
君に会ったら
君を見てしまったら
俺の決断なんか
きっと簡単に揺らいでしまう。
俺は自分の最後に
君に会う資格すら無かったんだ。