赤ずきん〜もう一つのおとぎ話〜








どうして?


なんで?















君を守るための

"サヨナラ"だったのに。










無情にも

君の赤い頭巾が




もう一つの紅に染まって










俺の手は






パッと君の紅に染まる。













あんなに触れたかった君の頬









夢にまで見た…君の…















恐る恐る


そっと触れてみると











ああ…、温かい。













でもその温もりですら
弱々しくて







俺は思わず

目を背けそうになる。

















…うっすらと瞼を開けた君






ぐったりとしてる















…卑屈だ。













過去に一度だって

君のこんな姿を



見たいと思っていたなんて。















唇から


血が滲む程、噛みしめた。








抱きしめても




抱きしめても。










君はぐったりしたままで。














抱きしめたままの君の体が







少しずつ



少しずつ、



冷たくなっていく。










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