俺が恋したお嬢様
婚約指輪のつもり…つーか、婚約してるんだが、そのつもりでプレゼントした指輪。
"結婚"と具体的な言葉を形に出したことがないものの、俺らの婚約はそれを絶対的なものと意味している。
でも、決められた結婚だからといって、雪乃と結婚するわけではない。
ちゃんと自分の意思で結婚をしたいと思っている。
だから、一応…。
「プロポーズなんだけど…」
固まり続ける雪乃に心配になり、顔を覗き込むように見る。
「…翔くん」
「ん?」
「……キスして下さい」
俺の腕をギュッと掴み、顔を真っ赤にし俺の目を見つめてくる雪乃。