俺が恋したお嬢様
「お久しぶりです」
ペコッと頭を下げるのは、眼鏡をかけた田中。
まだいたか、こいつ…。
「久しぶり」
一応、ニコッと挨拶を仕返す。
「田中くん…、あの…」
「松崎先輩と帰るの?」
言葉に困る雪乃に田中が尋ねると、雪乃は気まずそうに頷いた。
「田中くん、ごめんね」
ニコッと田中に笑顔を向け、早く帰れよというオーラを出す。
「いえ…、失礼します。じゃあね、西原さん」
田中は雪乃に手を振って帰って行った。