俺が恋したお嬢様
雪乃ちゃんと別れ教室へと入ると、目を輝かせながら悠斗(ハルト)が近付いてきた。
「お前、婚約するって本当か!?」
肩に腕を回し大きな声で尋ねて来る悠斗の口を慌てて塞ぐ。
教室にいた生徒が何人かチラッとこちらを見ている。
「大きな声で言うな!」
「悪ぃ…」
アハハと苦笑する悠斗を連れて、教室の隅に行く。
「で?婚約話は本当か?」
次は気をつけながら小さい声で尋ねてくる。
「…あぁ」
こいつは口堅いから他人に言い触らすことはないだろう…と昨日の出来事を話す。