俺が恋したお嬢様
「理事長もすげぇな…。いきなり婚約とか」
呆れたように話す悠斗。
悠斗は昔からの親友で、俺が自然体でいられる唯一の存在だ。
「つーか何でお前が婚約のこと知ってんの?」
「えっ?俺の親父と理事長、仲良いから」
親父のやつ、何べらべら言い触らしてんだよ!
俺や悠斗に関わらず、この学園はお坊ちゃんやお嬢様が通う学校である。
俺と雪乃ちゃんのことがバレるのも時間の問題だ。
「なぁ婚約者って誰?」
「西原雪乃。西原コーポレーションの娘、分かるだろ?」
「あ〜!あそこか」
納得するように頷く悠斗。