俺が恋したお嬢様
「翔くん?」
雪乃は固まる俺を覗き込むように見つめ、チラッと声がした方へ視線を向けた。
「…雪乃、悪いけど、先に帰っててもらえるかな?」
「……分かりました」
雪乃を見ずに言う俺に雪乃は何も言わずに帰ってくれた。
「…ちょっと、話せる?」
「うん…」
俺が尋ねると遠慮がちに微笑み頷いた。
俺たちはすぐ近くにあった喫茶店に入り、アイスコーヒーを注文した。
店内は狭く、クラシックが流れていて静かな雰囲気だ。
まるで俺の心を落ち着かせるかのように感じる。