俺が恋したお嬢様
家に着き、雪乃ちゃんを先に部屋へ戻らせ、俺はまっすぐ親父の部屋へと向かった。
「失礼します」
戸を軽くノックし開けると、親父は書類に通していた目を俺に向けた。
「翔か。何の用だ?」
「婚約のことです」
「なんだ、そのことか。婚約は決定したことだ。お前が何と言おうと同じだ」
椅子の背もたれにもたれながら、俺から視線を逸らした。
「でも!相手はまだ中学生ですよ?婚約するなんて早過ぎます!」
「中学生で何が悪い。後2年もすれば結婚出来る年齢になる。何の問題もない!」
「頭おかしいんじゃないですか?」
「なんだと?誰が頭がおかしい?お前はいずれは結婚しないといけないんだ!それが早いか遅いかだけの話ではないか!」
怒鳴る親父にブチッとキレた。