俺が恋したお嬢様
「雪乃ちゃん」
コンコンとドアをノックすると、静かにドアが開き雪乃ちゃんが顔を覗かせた。
「ちょっといいですか?」
そう言って俺の部屋にある椅子に腰掛けた。
「雪乃ちゃんは俺との婚約、どう思ってます?正直に言って下さい」
「…………」
俯き考え込む雪乃ちゃんの返事を待つ。
「……仕方ないことだと思います」
仕方ないことか…。
だよな〜、親に反抗したところで何も変わらないだろうし。
「で、でも、婚約が嫌と言う訳ではありません!」
顔を真っ赤にしながら話す雪乃ちゃん。
「いや、あの…翔さんが嫌いと言ってる訳ではないと言いたいのです」
益々、顔を真っ赤にする雪乃ちゃんに思わず笑ってしまった。