俺が恋したお嬢様
「ご、ごめんなさい!変なこと言って…いや、あの、もう私のことは気にしないで下さい!!」
目に涙を浮かべ慌てる姿が可愛らしく見える。
「雪乃ちゃん」
「…はい」
「僕、婚約のこと前向きに考えようと思います」
「えっ…?」
「雪乃ちゃん、可愛いから好きになるかもしれません」
そういう俺の言葉に顔を真っ赤にして、雪乃ちゃんは固まった。
冗談じゃなく、前向きに考えようと思う。
さっきまでは親父の反抗心でいっぱいだったが、落ち着いて考えてみたら、俺はどうせ親父の決めた結婚相手と結婚しないといけない。
それだったら可愛くて、俺に反抗しない女の方がいいんじゃないか…?と自己中な考えが浮かんだ。
好きになるかどうかは俺にも分からないが、一緒に過ごせば情は移るだろ…。