俺が恋したお嬢様
婚約します!
「あの、翔さん」
「ん?なに?」
勉強をしていると背後から声をかけられ、振り向くとパジャマ姿の雪乃ちゃんがいた。
「さっきの話って本当ですか?」
「…婚約のこと?」
そう尋ねると小さく頷いた。
「嫌?」
俺が勝手に婚約を認めただけだもんな。
「いえ!あの、よろしくお願いします」
頬を紅く染め頭を下げる雪乃ちゃん。
そんな風に頭を下げられると心が痛くなる。
「僕の方こそよろしくお願いします」
「はい」
恥ずかしそうに微笑むと、雪乃ちゃんは「おやすみなさい」と急いで部屋へと戻って行った。
雪乃ちゃんが笑った顔、初めて見たかも…。