俺が恋したお嬢様
それから一週間が過ぎた。
俺と雪乃ちゃんの関係は何も進展などしていない。
「雪乃ちゃん、お菓子食べる?」
「あ、はい」
俺の部屋へと小走りでやって来る雪乃ちゃん。
進展って程ではないが、少しは仲良くなった気がする。
クッキーと紅茶を口に運び、幸せそうな顔をする雪乃ちゃん。
その表情を見ていると、何故だか俺も穏やかな気分になる。
「翔さんは食べないんですか?」
「雪乃ちゃんが全部食べたらいいよ」
「そんな全部だなんて!翔さんも食べて下さい!」
慌ててクッキーのお皿を俺の方に軽く寄せる雪乃ちゃんに、思わず笑みが零れる。
また、顔真っ赤にしてるし…。