俺が恋したお嬢様
「それでは行ってきます」
「楽しんで来てね」
玄関で母さんが俺と雪乃ちゃんを見送る。
母さんは女の子が欲しかったからか、雪乃ちゃんを凄く可愛がっている。
「翔も行くのか?」
親父が書斎から出てき、俺を不思議な目で見ている。
「はい。でも僕は夕方には帰って来ます」
「そうか。あんだけ婚約を嫌がっていたのに…」
フッと鼻で笑う親父を無視し、雪乃ちゃんの手をひき車に乗った。
「お父様、いいんですか?」
「大丈夫。それより、雪乃ちゃんのお母様に会うのは初めてなので緊張します」
「大丈夫です!翔くんのこと気に入ってくれます!」
力を込めて言う雪乃ちゃんに優しく笑いかける。
「そうですね」
「はい!」