俺が恋したお嬢様



リビングに通され、ケーキやコーヒーを出される。



「雪乃、迷惑かけてないかしら?」


「いえ、全然。きちんとしているし、可愛らしいです」



「あら、可愛らしいですって!良かったわね、雪乃」


「やめてよ、恥ずかしい」


はしゃぐ母親に対し、顔を赤くして照れる雪乃ちゃん。



「でも、僕が婚約者で良かったんですか?」



「そうよね。翔くんからしたら雪乃は子供ですよね」


「いえ、そういう意味ではないです!中学生で婚約ってなかなか決断しにくいことではないかと…」



「雪乃が決めたことだから、私に反対する権利はないわ。お父様に逆らうことも出来ないですしね」


困ったように微笑む母親を雪乃ちゃんは黙って見つめていた。



< 28 / 149 >

この作品をシェア

pagetop