俺が恋したお嬢様
リビングに通され、ケーキやコーヒーを出される。
「雪乃、迷惑かけてないかしら?」
「いえ、全然。きちんとしているし、可愛らしいです」
「あら、可愛らしいですって!良かったわね、雪乃」
「やめてよ、恥ずかしい」
はしゃぐ母親に対し、顔を赤くして照れる雪乃ちゃん。
「でも、僕が婚約者で良かったんですか?」
「そうよね。翔くんからしたら雪乃は子供ですよね」
「いえ、そういう意味ではないです!中学生で婚約ってなかなか決断しにくいことではないかと…」
「雪乃が決めたことだから、私に反対する権利はないわ。お父様に逆らうことも出来ないですしね」
困ったように微笑む母親を雪乃ちゃんは黙って見つめていた。