俺が恋したお嬢様
夜中、書斎にいる親父の所に行く。
「父さん」
「どうした?」
「雪乃ちゃんが帰ってきたら、婚約のことで話があります」
「婚約やめるとかは受け入れんぞ」
本から目を逸らし俺に嫌な視線を向けて来る。
「分かってます。俺も今回の婚約については前向きに考えようと思ってますんで」
「どうした、急に?」
「詳しくは雪乃ちゃんが帰って来た時に話します」
おやすみなさいと書斎を後にした。
部屋に戻りベッドに寝転ぶ。
雪乃ちゃんの存在がないだけで一人の部屋は寂しく感じた。
たった数日間一緒に過ごしただけなのに、雪乃ちゃんの存在が大きくなっていたことに気が付いた。