俺が恋したお嬢様
「実家は楽しかった?」
「はい!」
荷物を直す雪乃ちゃんは嬉しそうに返事した。
そんなに実家が良かったのか…。
ちょっと寂しく感じる。
「あの、翔くん」
「な、なに?」
駆け寄って来たかと思うと俺を見上げるように見てくる。
まぁ、身長差のせいなんだけど、その上目遣いはドキッとする。
中学生でも女だと思わされる。
「婚約のことなんですけど…」
一瞬、心臓がドキッとなった。
「うん…」
何故か心臓がバクバクし始める。
落ち着け、俺が考えるように言ったんだ。