俺が恋したお嬢様
「あ、あれ雪乃ちゃんじゃん?」
指をさし中庭にいる雪乃ちゃんを見つける悠斗。
中庭は中等部、高等部が共有している唯一の場所で、中等部や高等部の学生が交流出来る場所でもある。
「声かける?」
そんな悠斗の声を無視して俺は雪乃ちゃんに近付いていった。
「雪乃ちゃん」
「翔くん!お久しぶりです」
俺を見て慌てて挨拶する雪乃ちゃん。
「こんにちは〜」
ニコッと俺の後ろから顔を覗かせる悠斗にも、雪乃ちゃんは慌てて挨拶をした。
「君は?」
雪乃ちゃんと一緒にいた眼鏡をかけた男の子。
「同じクラスの田中くんです」
田中くんは俺らに丁寧に頭を下げた。