俺が恋したお嬢様
「お兄ちゃんみたいな人なの」
………はっ?
お兄ちゃん?
「そうなんですか?」
おい、待てコラ!
何納得してんだよ!
つーかお前も笑ってんじゃねぇよ!と、笑いを我慢する悠斗を思いっ切り睨む。
「まぁ…そんな感じです」
ニコッと作り笑いを浮かべ、田中に返す。
「田中くん、そろそろ教室に戻ろう?」
「うん。それでは失礼します」
ペコッと頭を下げて、二人は中等部の建物に入って行った。
「おい、早く笑うの止めろ」
「無理〜!あー、腹痛ぇ」
ハハハッと涙を浮かべながら笑い続ける悠斗。
確かに俺と雪乃ちゃんが一緒にいても兄妹にしか見えないが、雪乃ちゃんに直接言われるとショックを受ける。
「まぁ、頑張れ!」
ポンッと肩に手を置いて、悠斗は高等部の教室に入って行った。
何かすげぇムカつくんですけど?