俺が恋したお嬢様
「そろそろ時間です」
「あ、はい」
雪乃ちゃんのお付きの女性がタイミング悪く来た。
「翔くん、行かないと…」
「そうですね」
困ったようにあたふたする雪乃ちゃんに笑いかけ、雪乃ちゃんの手を握った。
「えっ!?」
ビクッとし俺を見上げる雪乃ちゃんは顔を真っ赤にしていた。
「嫌、ですか?」
そう尋ねると首をフルフルと振って、恥ずかしいのか俯いてしまった。
やっぱり可愛い…。
クスッと笑みが零れてしまう。
パーティーは婚約することを発表し、一緒にそれぞれのパーティー参加者に挨拶をして回って無事終了した。
親父は満足そうな表情をしていて、ちょっと腹が立ったが、母さんや雪乃ちゃんの両親の嬉しそうな表情を見ていると、俺もちょっと嬉しくなった。
雪乃ちゃんはずっとカチコチだったけど。