俺が恋したお嬢様
「ひゃっ!か、翔くん、何もしないって!」
「しないよ。ただ抱きしめてるだけ」
どうにか腕の中から逃げようとする雪乃をギュ〜と抱き寄せる。
「くっついてる方が怖くないよ?」
「くっつかなくても大丈夫です…」
ぶつぶつ文句を言いながらも段々と大人しくなっていく雪乃。
相当、疲れてるんだな。
「…翔くん」
「ん?」
眠そうなトロンとした目で俺を見つめてくる。
「今日はありがとうございました…」
「いいえ」
クスッと笑い雪乃の髪を耳にかける。