ハワイキキ
「おい、カウボーイ。生憎天候を見てみろよ。雨が降りそうな予感だぜ。鹿狩りに山奥に行って土砂降りになったら大変だ。俺はテントを完成させて待ってるよ。」
「はは、ジョセフに面白いものを見せてやるよ。」
「何?ご…ごめんだが無理だよ。」
「来いよ。こないのか子猫ちゃん。」
「その煽りには乗らないぜ。大人だからな。それに、俺は動物を狩るなんてやった事がない。鹿でも人間からしたら野生だ。下手な真似するとこっちが怪我をしてしまうよ。」
「なぁに、マルクスと居れば一緒だって。」
声をかけてきたのはシャネルだった。
「マルクスは映画監督になる前、陸上自衛隊だったのよ。彼は戦場で食材を探すために動物を良く狩ってたわ。彼の胴体視力と状況認識能力は凄まじくて軍曹候補だったのよ。」
「状況認識能力…?」
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